とくし丸くんがやって来た

近所の農協食料品のお店が店じまいし、

その代わりにこの春から移動スーパー「とくし丸」くんが、

週2回、まわって来てくれるようになった。

要請あれば、各家庭の前に行きます、というスタンス。

              

軽トラの荷台を冷蔵設備をつけた陳列棚にして、

コンパクトにいろんな食材を積んでまわっている。

お惣菜も牛乳も肉も野菜もお菓子も。

この地域もご多分に漏れず、の年寄り地域。

なかなか便利かも。

             

この地域でこのサービスが始まったばかりで珍しいからか、

うちの前に来る時間は14時50分、ヒデオとーちゃん、「ソノ時間」をソワソワ待っていた。

14時50分という設定がなんか日本人ぽいんだけど、

約束の14時50分を3分ばかり過ぎたころに、

「来ない」

「どうしたんだ」

「電話するかな」

と、とーちゃん、「オレハ待テマセン」の年寄り砲を発砲しようとしたので、

ガッチリ止めに入る。

              

15時をすこうし回った頃に家の前に到着。

近所の親戚親子も来て様子伺いのお買い物。

しばし、わいわい。

平和な風景だった。

          

この空気感はなんだか懐かしい。

とくし丸くん、

ちょこっとしたものを何でも売っていた、昔は田舎にひとつあったなぁという

お店の感じに、ちょっと似た匂いがある。

          

うちの近くの何でも屋さんは酒屋さんだった。

今のコンビニより全然品揃えもないながら、ノートもアイスも洗剤も売っていて、

ごめんくださーいって言うと、奥からおじいさん(とか、おばあさん)が出てきて

そろばんはじいての、レジ。

ちびまるこちゃんの世界そのものだった。

今はもうお店を閉めてしまった。

             

コンビニが台頭し、そういうお店がなくなっていった。

便利なんだけど

なんだけど、なんだけど、なんだけど。

・・・・・・

という感覚が、うっすら横たわっていていたんだな。

            

とくし丸くん、

お店の人と買い物するひとの距離が近いのが似ているんだ。

物理的な距離というよりは心理的な。

お天気の話なんかして、ちょっと雑談もあっての、

ほんとになんでもない(意味なくてもいい)会話が、いいんだ、こういうとき。

重くなく、でもゆるいつながり感もあって。

        

平和な風景だと思ったのはそういう事だったんだな。

雨の日も雪の日もあると思うけど、とくし丸くん、頑張って~

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